夏休みの自然観察を代官山で -公開空地-

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代官山で昔ながらの自然が残っている場所を見つけることは難しくなっていますが、普通では決して気づかないようなところに少しだけ残されていたりします。親子連れが3組も入ると密な状態になってしまうような狭い場所ですが、自然観察してみるとなにか面白いものを発見することが出来るかもしれません。


代官山は、かつては“緑豊かなまち”などと云われていたこともありましたが、近年では、次々に庭付きの戸建住宅は取り壊され、共同住宅や事務所ビルのようなものに建て替わってしまい、緑の豊かさを感じる場所が減ってきています。もはや、まち全体として“緑豊か”と表現することは出来なくなってしまったのではないかと感じます。
そのような中、僅かながらに“手つかずの自然”といえるような景色が残っている場所があります。
狭い場所ですが、小学校で夏休みに自然観察の宿題が出されたら、ここで昆虫探しをしてみることが出来るかもしれません。

ここは住友不動産が、渋谷区の用途地域で定められた容積率を超えてマンション開発をおこなうために、「総合設計制度」という制度を利用して、公開空地の設置と引き換えに容積率制限の緩和を得るために設置した場所です。
“公開空地”とは、もともとは「公共に開放し不特定多数の人々の自由な利用に供すること」を目的とする“公共空地”だったものが、“公開空地”という名称に置き換えられて法令化されたものです。
※詳しくは「代官山地域の良好な環境を守る会の活動 2001-2003」を参照してください。

普通に歩いていると、ほとんど気がつことは無いような造り方でこの場所は整備されています。まるで、「公共の自由な利用に供すること」は全く前提にしていないようです。
しかし、本来は公共的に利用されなければならない場所のはずですから、是非、多くの人がこの場所の細やかな自然を楽しむことを期待したいものです。

言い訳のように「公開空地を設置したこと」を示す標識が立てられています。

“残された自然”ではなく人工的な緑化空間ですが、代官山アドレスの中のこの場所は、完成後20年を経て緑豊かな場所になってきました。ここでも細やかな森林浴が出来るかもしれません。ここも“公開空地”です。

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