「代官山インスタレーションが遺したもの」

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ヒルサイドテラス第1期竣工50周年記念イベントの一環として開催されるシンポジウムの最後のプログラムとして「代官山インスタレーションが遺したもの」が2019年12月6日(金)に開催されました。
当初はヒルサイドバンケットを会場に予定していましたが、参加申込者が想定を超える人数になったため、会場をヒルサイドプラザホールに変更して開催されました。
シンポジウムでは、1999年から2013年の間に8回開催された「代官山インスタレーション」で優秀な作品として表彰された作品の作者数名による出展作品の解説や、その後の活動について語られました。

Wikipediaによれば、インスタレーションとは「ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術」とあります。
今回のシンポジウムでは、優秀な作品として評価されたものは、設置場所の潜在的可能性を見出し、そこに仕掛けを施すことによって、その場所を訪れた人に対して何某かのアクションを誘発させる意図を持った作品が高い評価を受けていたのではないかというように思います。その意味において、「代官山インスタレーション」において制作・展示された作品は、美術品というよりも装置としての色合いが濃いものが多かったのではないかと思います。

審査員のひとりであった槇文彦さんは、「代官山インスタレーションは、新たな情景を構想するものだった。」と述べています。そして「構想化された状況を作ることで、我々の生活の中の単なる風景が、誰も考えていなかった情景になってゆくところを「代官山インスタレーション」は見せてくれたという印象が非常に強く残っている。」とも語られました。

代官山インスタレーションの出展作品は、以下のウェブサイトで閲覧することが出来ます。
http://d-insta.com/

「代官山インスタレーション」は、「人びと(コミュニティ)に働きかけるアート」を提示してきたイベントであったと認識していますが、シンポジウム終了後に催された交流会の席上では、ヒルサイドテラスオーナーの朝倉さんから「いつかまた、代官山インスタレーションを復活させたい。」との思いが語られました。

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