小林博人研究会 「とりあえず」やってみる展
ヒルサイドフォーラム(猿楽町18-8)では、2021年9月1日から11日までの期間、「とりあえず」やってみる展が開催されています。
9月5日(日)までだった会期が、好評により11日(土)まで延長になりました。
会場入口に掲示された「はじめに」には、以下のように書かれています。
私たちの暮らしている社会では、予想もつかないことが往々にして起こります。《中略》自分の居場所がなくなったようでとても不安な気持ちになることがあります。
こういった不安定で先の読みにくい社会の中で生きていくとき、私たちは自分が居ていい場所をどうやってみつけ、それをどうやって自分の居心地のいい場所にしていくことができるのでしょうか。
この展示会では、私たちが自分たちと場所との関係をどのようにつけていけばその場所が自分たちの場所として感じられるのか、その場所にいていいと思えるのか、そしてその場所を気持ちのいい場所として捉えられるのかを、今までやってきたいくつかのプロジェクトを例にあげながら紐解いていくことを試みました。
展示作品の多くは、2011年の東日本大震災をきっかけとして始まった「べニアハウスプロジェクト」で制作されたもののように見受けられます。
ベニア合板をCNCルーター(コンピューター数値制御くり抜き機)などを使って切り出した部材で組み立てられています。接合部には釘などの金具が使われておらず、日本の伝統的な軸組構法と壁構法の融合が図られています。
そのことによって、建設する現場では工具を使わず人の手だけで組み立てることが可能になっています。それは、緊急性を要する場所での「とりあえず」必要な建物の建設にとって有効な手法だと思われます。
参考:
べニアハウスプロジェクト (KOBAYASHI MAKI DESIGN WORKSHOP)
https://www.kmdw.com/veneer-jp
ベニアハウスプロジェクト:被災地の仮設的建築から新たな防災住宅へ
https://redshift.autodesk.co.jp/veneer-house-project/
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