コロナ禍において事業支援要請のために実施されたクラウドファンディングの実施結果

FOR STUDY

代官山に立地している店舗の中でも、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の発出にあたって、事業支援のお願いとしてのクラウドファンディングに取り組んだ店舗が複数ありました。概ね全ての支援募集期間が終了しましたので、その結果を整理してみました。


今回のコロナウイルス感染症の伝染に際して事業の自粛を余儀なくされた店舗で、事業支援のお願いとしてクラウドファンディングの方法により資金を募集した店舗は、認識している範囲で7店舗ありました。
それぞれの設定金額や募集時期・期間には大きな違いがありますので、この結果を分析することによって何かが得られるものとは思いませんが、歴史的な災害がもたらした現実のひとつとして記録しておくことにします。

https://motion-gallery.net/projects/haremame

このコロナ禍に際して実施されたクラウドファンディングの中で、最も多くの支援金を集めたのは「晴れたら空に豆まいて」で、12,769,622円の支援金が集まりました。設定金額は6,000,000円でした。コロナウイルスの感染における危険性が最も高いという評価がなされた業態であるライブハウスです。
青葉市子、あがた森魚、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、菊地成孔、久保田麻琴、小坂忠、サエキけんぞう、佐野史郎、谷川俊太郎、林立夫、ピーター・バラカン、三宅純、吉本ばなな、など数多くの多彩な分野の人々がクラウドファンディングのサイトには応援コメントを寄せています。


[HALEO代官山]

https://camp-fire.jp/projects/view/281328

「HALEO代官山」は、10,856,106円の支援金を集めました。設定金額は10,000,000円でした。こちらも危険性の高い業態と判断されたフィットネスジムです。ラグビー日本代表キャプテン、リーチ・マイケル選手、稲垣啓太選手、山中亮平選手、徳永祥尭選手、庭井祐輔選手などのラグビー日本代表の各選手や、総合格闘技のホベルト・サトシ・ソウザ選手、川尻達也選手、ジョシュ・バーネット選手、ボクシングの井岡一翔選手、キックボクシングの白鳥大珠選手、HIPHOPアーティストの般若、などをはじめとする多数のアスリート達のサイン入り私物がリターンに提供されました。


[UNIT]

https://readyfor.jp/projects/unit

「UNIT」には、3,016,000円の支援金が集まりました。設定金額は、3,000,000円でした。業態はライブハウスです。「アーティストのキャンセル料負担0円に」という呼びかけで実施されましたが、3,000円の支援に対してThanksメールのみのリターンについては158人、4,500円の支援に対して「Help me! Help you!」のステッカーとThanksメールのリターンについては120人が応募しました。


[Debris]

https://camp-fire.jp/projects/view/257413

「Debris」には、2,276,586円の支援金が集まりました。設定金額は、2,000,000円でした。業態としては、いわゆる小箱のクラブに該当すると思います。設定金額は、2,000,000円でした。ステッカーとお礼のメッセージに加えて薬酒1杯と中華粥1杯のリターンで3,000円のプランに120人、薬酒5杯と中華粥1杯のリターンで5,000円のプランには71人が応募しました。応援コメントは定期・不定期にパーティを主催しているDJ達が寄せていました。


[CEDROS]

https://camp-fire.jp/projects/view/272920

「CEDROS」には、1,417,500円の支援金が集まりました。設定金額は、3,000,000円でした。業態はカリフォルニアシーフードレストランと表記しています。来店客の外国人比率が高いお店です。20,000円に対して「シェフお任せコース2人前+おすすめワインボトル1本」のリターンに21人が応募しています。250,000円で「20名以内の2時間飲み放題付きのブッフェスタイルパーティ」を開催できるリターンには1人が応募しました。


[Cafe Accueil]

https://camp-fire.jp/projects/view/262852

「Cafe Accueil(アクイーユ)」には、630,800円の支援金が集まりました。設定金額は、400,000円でした。業態は「パティシエがつくるパンケーキとカフェごはんのお店」と表記しています。募集期間は1か月間という短い期間でした。6,000円分のチケットを5,000円で提供するリターンには58人が応募しました。


[KING GEORGE]

https://camp-fire.jp/projects/view/255479

「KING GEORGE」には、258,000円の支援金が集まりました。設定金額は、6,000,000円でした。業態はサンドイッチ専門店と表記しています。「この街が早く元気になるために!サンドイッチにできること。」というタイトルで支援を募集し、「開業から5年間お世話になってきた代官山への恩返しを、今私たちができることから始めたいと思っています。」というメッセージで呼びかけをおこなっていました。3,000円で御礼メールのみのリターンに対しては8人、6,000円でサンドイッチ&ドリンクチケット2回分+御礼メールのリターンに対しては6人が応募しました。

設定金額に対する集まった支援金額の比率(達成率)では、「晴れたら空に豆まいて」の212.8%が最も高く、4.3%の「KING GEORGE」が最も低い結果となりました。
応募人数は、「晴れたら空に豆まいて」が1,774人、「HALEO代官山」が643人、「UNIT」が378人、「Debris」が318人、「Cafe Accueil」が111人、「CEDROS」が48人、「KING GEORGE」が28人という結果でした。
支援者ひとり当りの平均の支援金額は、「CEDROS」が29,531円、「HALEO代官山」が16,884円、「KING GEORGE」が9,214円、「UNIT」が7,979円、「晴れたら空に豆まいて」が7,198円、「Debris」が7,159円、「Cafe Accueil」が5,683円という結果でした。

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。