KASHIYAMA DAIKANYAMA「東京クリエイティブサロン-代官山エリア」

FOR VISIT

KASHIYAMA DAIKANYAMA(代官山町14-18)では、2020年3月15日(日)~31日(火)の期間、「東京クリエイティブサロン」のイベントを開催しています。

「東京クリエイティブサロン」は、ファッションを中心として、アート、音楽、フード、カルチャーなど複数のイベントを一同に集結させ、東京から世界に発信していくイベントと定義されていますが、2019年度の厚生労働省の補助金交付を東京都が受けて実施した「地域特性に着目したファッション産業振興補助事業」の事業者募集に「一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会」が応募して開催されているものです。
補助対象となる事業の要件として
(1)都内5か所程度のエリアで、3月中旬から3月31日の期間内に開催する事業であること
(3)各エリアで中小企業又は地域団体を含む「実行委員会」を組織すること
・各エリアのイベントそれぞれにアパレルの企画(ファッションショーや被服の展示等)が1つ以上あること
・その他の企画についても、広義のファッション(インテリア、ライフスタイル等も含む)の要素が入っていること
などと定められており、代官山エリアでは代官山商店会を実行委員会に迎えて計画されたものと考えられます。
補助金全体の上限額は5億円で経費の1/2を補助するものですが、中小企業を特に取り込んだ企画及び学生デザイナー支援につながる企画の費用には2/3を補助することになっていますので、代官山商店会の会員企業が実施するイベントも企画されたのではないかと思います。

代官山エリアのコンセプトは「THINK ALTERNATIVE」で、「伝統的な着物や最新のテクノロジーを通し、代官山らしい「もう一つのやり方。」を発信します。」と謳われています。
メインクリエイターには、KASHIYAMA DAIKANYAMAビルの設計を担当した、デザインオフィスnendo代表の佐藤オオキさんが就任しています。

デザインオフィスnendoは、DeNAとのコラボレーションし、動く遊具「coen car」を出展しています。
「coen car」は、DeNAが推進している「スマートシティ」のコンセプトと「AI」や「自動運転」のテクノロジーを活用した実験的プロジェクトで、新たな人と車の関係が生まれることを目指しているそうです。

シンボリックコンテンツとしては、ファッション甲子園(全国高等学校ファッションデザイン選手権大会)の入賞作品の展示や、ヴィンテージキモノの着付け体験(特定日)がおこなわれています。

※全国高等学校ファッションデザイン選手権大会は、弘前商工会議所・青森県アパレル工業会・青森県・弘前市が開催する次世代の若者の人材育成等を目的とした、 ファッションデザインコンテストです。

ヴィンテージキモノの展示は、2F、3Fのマーケットのフロアでおこなわれていますが、この2つのフロアでは既存の商品はすべて取り除かれています。
このスペースで展示販売されていた商品は、2002年にニューヨークでスタートした「オープニングセレモニー」の創業者であるウンベルト・レオン(Humberto Leon)キャロル・リム(Carol Lim)がキュレーションを担当していました。
KASHIYAMA DAIKANYAMAの親会社であるオンワードホールディングスは2009年に「オープニングセレモニー」の日本での商標権を取得し西部渋谷などに出店していましたが、不採算事業であった「オープニングセレモニー」の撤退を決定し、2020年1月にはウンベルト・レオンとキャロル・リムとのパートナーシップも解消しました。オンワードホールディングスは現在、「デジタル」「カスタマイズ」「ライフスタイル」を3本軸に置いた成長戦略を掲げていますので、今後の展開に興味が持たれるところです。

新型コロナウイルス感染症の拡大が全世界レベルになり3月11日にはWHO(世界保健機関)がパンデミック(世界的感染爆発)を宣言しましたが、B1Fのカフェは女子大生とみられる女性客などでほぼ満席の状態になっています。4Fのレストランも開業以来好調を維持していると聞いていますので、KASHIYAMA DAIKANYAMAがこれからアパレルの分野でどのように進化してゆくのかが楽しみなところです。

 

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。