ART FRONT GALLERY : アデル・アブデスメッド「Play it Again」

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ART FRONT GALLERY(猿楽町29-18)では、3月17日(火)~5月10日(日)の期間、アデル・アブデスメッド「Play it Again」を開催しています。

-紹介文-

アデル・アブデスメッド(Adel Abdessemed)は現在欧州を活動拠点としている重要なフランスのアーティストです。

1971年アルジェリアに生まれ、リヨンのボザールで学んだ頃からビデオ作品を発表し始め、日常に潜む暴力や戦争の悲惨さなど私たちが生きる現代に鋭いメスを入れる作品を多様なメディアで制作しています。これまでヴェネチア・ビエンナーレに4回選ばれ、2007年にはネオンと有刺鉄線を使ったミニマルな2つの作品でベネッセ賞を受賞しました。

<中略>

アデルの作品は人間の根源的な苦しみや哀しみを現代的な素材を使って表現したものが多くみられます。過激な戦争の悲惨さを直接的に社会に訴えた作品はCri (叫び、2012) では、ベトナム戦争の最中にアメリカ軍の空爆を逃れるために全裸で走り来る女の子の写真を元に、その瞬間を象牙で凍結させました。アルジェリア独立戦争の政情不安の中で故郷に帰れなくなり、たった一人でアートを作り続けることによって世の中と闘うことを余儀なくされた作家自身と重ね合わせているようです。

ビデオ作品では頻繁に動物が登場し、アラブの春を連想させる鶏が焼かれる作品、Printemps (春)(2013)では動物愛護団体など様々な批判を受けましたが、三方の壁が映像で埋め尽くされ、観る人がその場から逃避できない、逃げずに現状を直視するしかない、という極めて強いメッセージを発信しています。この作品以外にも様々な動物の生態を人間のそれに重ね合わせながら生命が本来持っている残酷さや美しさを作品化しています。

https://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2020_01/3979.html

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