行列のできる店

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なんでもない平日の昼頃ですが、代官山駅から徒歩7分ほど離れた路地裏にあるカフェの前には行列が出来ていました。
このビルは、株式会社ワールドが1990年代の終わり頃に代官山で急成長したブランド「COCUE」を買収した時期に、安藤忠雄の設計によって建設されたもので「代官山コキュビルディング」と命名されましたが、2002年の完成以後、ずっと「aquagirl」の店舗兼プレスルームとして使用されてきました。
しかし、2019年2月28日に「aquagirl」が閉店した後は、恵比寿の不動産会社に売却され、2019年11月に現在の「Salon de Louis Jewelry Cafe(猿楽町2-8)」がオープンしました。

開業してから間もない2019年11月29日(金)の18:30頃の写真ですが、たくさんの胡蝶蘭で飾られた店頭の奥は閑散としていて、ひとりも入店客の姿を見ることは出来ませんでした。
しかし、その約2か月後には行列のできる店になっていたというわけです。

少しネット検索をしてみると、いくつかのウェブメディアの記事が見つかりました。

apptopi.jp
https://apptopi.jp/2020/01/30/salon-de-louis-jewelry-cafe/

記事中には「韓国のカフェみたい!」や「まるでベルサイユ宮殿!」、「店内は白をベースに大理石やゴールドで飾り立てられた高級感あふれる空間で、韓国のカフェにいるようでした…」、「ちなみに店員さんも韓国の方でした!」といった文言が見られます。

RiLi.tokyo
https://rili.tokyo/topics/t67021144208

2019年3月に1億円の資金調達をして急成長しているファッションメディア「RiLi.tokyo」にも記事が掲載されていました。

picuki.com
https://www.picuki.com/tag/salondelouis

インスタグラムビューワーの「picuki.com」で検索してみると、多数の画像がインスタグラムに投稿されていることがわかります。「#salondelouis」のハッシュタグが記載された投稿は、すでに2,000件近くになっています。

https://www.picuki.com/location/salon-de-louis/101573097978408

「LOCATION」で「SALON DE LOUIS」を指定した場合の検索結果のように見えるこのページでは、開業当初は「Salon de Louis」自身からの投稿が多かったようでようですが、4週間前頃からは、その他のインスタグラムユーザーからの投稿が増えてきたように見えます。しかし、「picuki.com」のトップページから「SALON DE LOUIS」を「location」で検索してみると、選択肢に「SALON DE LOUIS」は表示されません。
したがって、ここで表示されている検索結果は、ステルスマーケティングによるものかもしれません。(ビューワーの使い方がわかっていないだけかも知れませんが…)

行列のできる店にもいろいろあります

代官山には、新店舗オープン時やセールなどのイベント開催時、限定商品の発売日などに店頭に行列ができる店はいろいろとあります。その中でも、梨花をクリエイティブ・ディレクターに迎えて2012年4月14日から株式会社JUNが運営していた「MAISON DE REEFUR」の店頭でしばしば見られた行列は、これまででもっともインパクトが大きかったものかもしれません。

MAISON DE REEFUR 一周年 2013.04.13

現在も休日には、株式会社ベイクルーズが代官山駅前で運営しているスフレパンケーキ専門店「FLIPPER’S」などで行列を見ることがあります。また、トランジットジェネラルオフィスが運営する代官山駅前の「SIGN(現在はSIGN ALLDAY)」で度々開催された期間限定のプローモーションイベントであるコラボカフェなどでもかなりの行列が出来ることがありました。

これは、2018年のゴールデンウィーク期間中に見られた行列です。
キャッスルストリートにあるビルの3階のカフェ「uki_uki cafe(代官山町13-6)」の入店待ちの行列です。
「uki_uki cafe」は、2017年9月10日にオープンしたカフェで、「Amazonプライム・ビデオ」の恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』に出演していたフードコーディネーターの柏原歩さんがオーナーです。

LAURIER PRESS
https://laurier.press/i/E1507804315618

女子向けウェブメディアの『LAURIER PRESS』では、「ピクニック気分でおいしいメニューが食べられる」と紹介されており、店内はある種テーマパーク的な体裁になっています。
「インスタ映えメニューをたっぷりご紹介」とも書いてあるように、観光地のフォトスポット的価値を集客力の核に据えていることがわかります。

https://instaspot.jp/2528/

また、インスタ映えするスポットをまとめたサイト「InstaSpot」でも「uki_uki cafe」は紹介されています。

https://www.picuki.com/profile/uki_ukicafe

「uki_uki cafe」が発信するインスタグラムでは、これまで500件近くの投稿をおこなっているようです。

https://www.picuki.com/tag/uki_ukicafe

しかし、「#uki_ukicafe」のハッシュタグ付きで一般ユーザーから投稿された画像は15件で、過去2週間以内に投稿されたものは無いようです。

「おしゃれな」が示すものとは…

代官山は1980年代からメディアで「おしゃれな街」という評価を受けてきました。しかし、この「おしゃれ」という意味、「おしゃれ」という言葉が示す空気感、あるいは価値観は、時代の変遷とともに、あるいは世代の違いによって変化しているのかもしれません。
しかし「インスタ映え」という価値が、年齢を重ねてもその人の心の中に残り続けることは難しいように思えます。とすれば、その店が長い期間このまちの魅力の一要素であり続けることも難しいように思います。

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