代官山のコミュニティ構造

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代官山の生活者の内訳を「東京都統計年鑑 運輸 私鉄の駅別乗降者人員(2014年)」「統計渋谷 経済センサス 町丁目産業中分類別事業所数及び男女別従業者数(2014年)」「東京都統計年鑑 国勢調査 東京都区市町村町丁別報告 5年前の常住地(都内区市町村、他道府県)別人口(2015年)」を合体して円グラフで表現しました。
それぞれの数値は、渋谷区鉢山町、鶯谷町、猿楽町、代官山町、恵比寿西一丁目、二丁目の数値を合算したものです。この町丁目の範囲を一般的に代官山のまちとして認識されている地域であると考えています。
※目黒区上目黒一丁目、青葉台一丁目、二丁目の中の一部の範囲も代官山のまちの一部として認識されますが、統計上の数値を中目黒側と代官山側で分けることが出来ないため割愛しています。

これは、代官山で暮らす人の全体像を「住人」「就業者」「来街者」という切り口で比較してみたものです。
大雑把な言い方をすれば、ある特定の日に代官山に居る人々を見てみると、全体の約半分の人は「代官山で働いている人」で、「住人」と「来街者」はそれぞれ約1/4づつになるということです。

そのうちの「住人」の総数は11,129人ですが、5年前以前から同じ住所に居住していた人の割合は40.8%ですので、現在の代官山の住人の約6割は最近になって代官山に転居してきた人であるということになります。

世代別の人口増減を「統計渋谷 町丁目別世帯数及び人口」の2010年と2019年の数値を使って表現したものです。
右の図の「代官山の世代別人口増減(2010年→2019年)」では、2010年時点の「n歳の人」の人数と2019年時点の「n+10歳の人」の人数を比較しその増減を年代層別に集計しています。
2019年の時点では、代官山では、30歳代の住人の増加が最も多く、次に20歳代の住人が増えています。一方、60歳代以上の人口は減少しています。

国勢調査の数値を使って住居形態別の世帯数の推移を表現しました。2010年以降、急速に長屋が減り共同住宅(マンション等)が増えています。

同じく国勢調査の数値で家族形態別の世帯数の増減を表現しました。2000年から2010までの間は、核家族が減少傾向にありましたが、2010以降になって増加しています。また、単身世帯は一貫して増加しています。

感覚的には、昔から代官山で戸建て住宅に住んでいた人が高齢化により転居したり単身世帯化している代わりに、マンション住まいの若いパワーカップル、子育て世代や独身者が多数転入してきているという状況が見えるような気がします。

一方、代官山で働いている人々の業種ですが、「統計渋谷 経済センサス 町丁目産業中分類別事業所数及び男女別従業者数(2014年)」を元に整理してみました。
「服飾等小売」と「その他小売」を合わせた小売業全体では3,172人になり、全体の約18%を占めていることになります。それに次いで飲食店が多く、店舗従業員と考えられる「服飾等小売」「その他小売」「飲食店」「美・利用等」を合算すると6,826人となり、代官山の就業者の中でいわゆる「店員」と考えられる人の数は全体の約38%を占めることになります。
一方、それ以外のいわゆる会社員と考えられる人の総数は11,237人であり、住人の総数とほぼ同じであると云えます。
また、代官山駅の普通乗車券利用の1日平均の降車人員数は11,279人ですから、この人数をおおよその来街者数だとすれば、単純計算では、店舗の店員が1日に接客する来街者の人数は、1.7人程度であると云うことが出来ます。

2009年の就業者数と2014年の就業者数を比較してみると、際立って減っているのがIT・情報制作系の就業者で、目立って増加しているのが建設業系就業者ということになっています。また、ファッション系の小売や卸の就業者が減って、生活関連サービスや医療・福祉系の就業者が増えているという実態もあるようです。

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